コーヒーボーイファミリー
「源地人」手塚成美さん

よそ者目線だからこそ
発信できるもの

地域に根ざす魅力的な方を紹介する冊子「源地人」。 2年前に発行された記念すべき第一号では、コーヒーボーイの代表・河内山を取り上げていただきました。 今回は、「源地人」の立ち上げを手掛け、構成・企画・ライターをされている手塚成美さんに、山口のこと、コーヒーボーイのことを伺いました。 ▫︎手塚さんは現在萩市にお住まいとのことですが。 2023年の暮れに東京から山口県萩市に移住しました。 10年ほど前から年に2〜3回、移住直前はほぼ毎月のように萩市に通っていたので、徐々にシワジワと移り住んできた感じです。 ちょうど10年ほど前、当時勤めていた会社D&DEPARTMENTで作っていたトラベル誌「d design travel 山口号」きっかけで山口を訪れ、そのことが山口をじっくりと知る始まりでした。 前々職では銀座の老舗デパート・和光の食器売り場にいたこともあり、食器、特に和食器への興味があって、以前から全国の焼き物を見て回ったり窯元に通っていたんです。 そんな中、山口で萩焼や作家の方々に出会いその魅力に惹かれたことが萩移住の原動力になりました。 移住というと、風土や人間関係の違いに戸惑うこともあると思うのですが、私の場合は、10年かけて東京と山口を行き来する中で徐々に山口で活動している素敵な方々に出会って、コミュニティにも仲間入りさせてもらい、ここなら自分も一緒に何かできるという確信が持てたことがスムーズな移住につながったのだと思います。 萩のゆったり感が心地いいんです。 反面、コミュニティがタイトなので何かを決断したら形にするまでが早い。 そんなギャップも大きな魅力です。

 

▫︎コーヒーボーイに来ていただいたのも、「d design travel 山口号」がきっかけでしたね。 そうですね。私は直接取材を担当していたわけではなく、実際に山口に足を運んだのは「d design travel 山口号」の発行後なんです。 掲載記事を見て素敵なカフェだなあと「ナギサ店」*に伺ったのが最初でした。 常連の方が各々に自分のコーヒーの楽しみ方を満喫している姿が印象的でした。 お客さんとスタッフとのいい距離感の関係性にも魅力を感じたことを覚えています。 ナギサ店以外でもコーヒーボーイはお店ごとの個性やこだわりがあるんですよね。 スタッフ個々のカラーがお店を作っていることが知れて、チェーン系のカフェでは味わえない面白さにどっぷりハマってしまいました。 こんなにキャラクターの立ったスタッフを束ねている会社の社長さんって一体どんな人なんだろうという興味が抑えられずに取材を申し込んだのが、3年前のことです。 *「ナギサ店」は、周南市の有形文化財:旧日下医院内にあったコーヒーボーイの直営店。2018年に閉店。

 

▫︎そこから「源地人」につながるのですね。 山口に通うようになって気がついたのですが、たとえば萩焼だったら作家さんとその周辺のコミュニティはあるけれど、他業種や市外・県外の方とのつながりがあまりないように思えたんです。 それは山口の人間ではない私だから見えたことなのかもと感じ、よそ者目線で何かできるのでは?と思ったことが「源地人」発行に繋がりました。 人と人、コミュニティとコミュニティが掛け合わされた時に見えてくる側面を引き出す媒体を目指しています。 第一号の取材では、萩焼作家の渋谷さんと河内山さんの対談もさせていただきました。 お互い初対面での対談でしたが、ここから何かが始まりそうだという予感を、お二人はもちろんのこと、読者の方々に感じ取ってもらえていたら幸せです。 発行のタイミングで、コーヒーボーイ萩店で渋谷さんのカップで季節のコーヒーをいただくイベントも開催してもらいました。 コーヒーボーイのテイスティングマネージャー守本さんが葡萄を入れたコーヒーを案内してくれて、こんな楽しみ方もあるのかと、コーヒーの幅広さを再発見できました。 コーヒーボーイのこういう型にはまらない自由さが大好きなんですよね。 「源地人」は自称スローメディアを謳っていて、河内山さんには1年近く取材にお付き合いいただいて、趣味の釣りにもご一緒させていただきました。 想像していた通り、いや、想像以上に楽しい方で、お会いするたびに違うお話しが聞けて、私自身もいろいろなことを学ぶ機会になりました。 特に印象的だったのが、コロナ前にはスタッフと共に行く北海道釣りツアーを設けていたこと。 『一見コーヒーの販売とはかけ離れているかも知れないけど、自然の中で学ぶことって意外とあるんですよね』という河内山さんの言葉が胸に残っています。

 

▫︎私たちスタッフも知らなかった河内山の一面が垣間みれて、楽しく読ませていただきました。次号の発行も楽しみですが、今後の目標などはいかがでしょう。 第一号の発行からはや2年、二号はまだ準備中なのですが、萩の空気感のようにゆっくりじっくりと進めていく予定です。 今後は誌面での情報発信のほかに「場づくり」も視野に入れて活動していきたいと思っています。 山口には「たくさんの方にもっと知ってほしい!」と思わせてくれる人材がとにかく大勢いるのですが、10年かけて移住に繋げたように、一人一人とじっくり関わりながらじんわりとその魅力を味わうことで見えてくるものがある。そのための場づくりをしていきたいですね。「場」は山口に限らず東京などの他県にも広げて、さまざまな場所に発信基地が作れたら・・・そんなことを妄想しています。 今は萩の暮らしを十分に満喫していますが、いつまでもよそ者視線は大切にしていきたいなと思っています。 「あ、山口ってこういうところなんだ」という感覚は失わずに、ですね。

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