コーヒーデイズカフェの日常
児玉町店・村中美穂
- 私の大好きなこの時間を
たくさんの人に味わっていただきたい -
周南市の児玉町店は2024年4月中旬にオープンした新しい店です。 お客さまをお迎えする朝、この児玉町店だけにある「仕事」があるんですよ。 それは、「店頭の暖簾をかける」こと。 COFFEEBOYの各店舗は、共通デザインの上にその土地その街にあった設えや佇まいがありますが、「暖簾」を掲げている店舗はほかにありません。 児玉町店も当初は普通に何もなく、道路の角にドアがありショップサインがあるシンプルなファザードでした。 ところが、ビルの1階で少し天井が高くがらんとした印象があるので「カフェなのかがわかりにくい」「ちょっと雰囲気が入りにくい」等の声があって。そこで夏頃に「暖簾を掛けてみよう」というアイディアが社長から突然出てきまして(笑)。 大きな白暖簾が掲げられると、「ここが店舗入り口ですよ」とすぐわかるようになりました。 また、風にはためく様子は動きがあって美しく、まるでお客さまに「どうぞおいでください」と優しく手を振るように見えます。お客さまにもとても好評なんですよ。 そんな暖簾を朝店頭にかけるのですが、最初は結構苦労しました。ファサードの天井が高いので脚立を出して登って掛けていたのですが、風の強いときなど煽られて怖かったのです。 そこで、今は竿上げ棒を使って脚立を登らずに工夫してかけるようにしています。 朝、暖簾を掛けるとき、必ず上を向くことになります。 その時、白い暖簾の間から真っ青な空が見えたりすると、青と白のコンビが眩しいほど清々しくて「ああきれいだな、今日も一日素敵な日になりそうだな」と思えます。私の大好きな瞬間です。
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店内の用意はキッチン周りの整理やエスプレッソマシンのスイッチオン、コーヒー豆のケースを開けて豆たちに「おはよう」と挨拶(笑)、そして「本日のコーヒー」を決めます。 「本日のコーヒー」は朝のスタッフがその日の判断で決めるのですが、私はほぼ、その時の直感です。 「今日はスイーツがでそうだからこのコーヒーが合うかな」とか「寒くなってきたし昨日はスッキリ系だったから今日は濃い豆にしようかな」とか。そうして、お客さまに少しずつ色々なコーヒーに出会っていただければ…と想いを込めながらセレクトします。 ですから、「初めて飲んだけどこれも美味しいね。この豆をちょうだい」との声をいただけると、コーヒーとのご縁をつなぐ想いが伝わったようで「やったね!」と嬉しくなります。
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児玉町店は比較的カフェスペースが広い方で、ランチを終えた午後にゆったりとおしゃべりを楽しむみなさまが多いです。窓が広く、街路樹のイチョウが色づく様や街の様子が明るく見えるのも、心地良い景色になっています。 夕方少し暗くなってくる頃、テーブルやカウンターに置く小さなキャンドルに火を灯します。18時がラストオーダーですが、仕事終わりや帰宅前でしょうか、直前に駆け込んでこられる方々もおられます。そこで、そっとキャンドルでお迎えして、ひとときゆったりとしていただきます。 キャンドルホルダーは透明・ブルー系・アンバー系の3色。それを「今日のお花とのコラボはブルーが似合うな」とか「レジカウンターのお菓子のカゴの横には温かなブラウン系かな」とか、これもその時のバランスや空気感によって配置を考えます。キャンドルの灯に揺れる、微妙な色と影のゆらぎは、その日の夜の入り口を優しく彩り寄り添ってくれる気がします。 私はずっと前からCOFFEEBOYの空気が大好きでした。空間全てが「癒し」に思えて、「人生は一度きり。私の大好きなこの時間を、たくさんの人に味わっていただきたい、そんな仕事がしたい」と思い、入社しました。 今、大切にしているのは「そっと寄り添う距離感」。 お客さまのみならずスタッフ同士で交わされる優しい会話、機敏で美しい動作、シンプルなインテリアと植物との絶妙なバランス、全てが「心地良い空気を演出する舞台」のように思っています。ですから、私もお店では自然と、ゆっくりと落ち着いた声になっているようです。
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コーヒーの知識はまだまだ勉強中ですが、その分、お客さまの感覚に近い言葉で話せるように思います。ですから、わかりやすい言葉で、自分の感じる美味しさをお伝えするようにしています。 小さなお子様連れのファミリー、学生さん、お友達と楽しむ奥様方、お仕事で走り回るビジネスパーソン、ゆったり過ごす年配の方々…様々な世代の方が気軽に来られる。それが児玉町店のよいところです。 みなさんが楽しめる、この街の癒しの空間になったら素敵だなと、今日も思って暖簾をかける。そんな児玉町店です。
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