NO COFFEE. NO CREATION. SF界の巨匠・海野十三が描く「宇宙コーヒー」との格闘

 

コーヒーは心の昂揚を促す作用と沈静を促す作用の2つの成分を持つと言われています。 そんな相反するコーヒーの力に助けられ、時に巧みに利用しながら 人は様々な素晴らしいアートや文学を創り出してきました。 「コーヒーがなければ、こんなアートは生まれなかったに違いない。」 コーヒーを愛しカフェテリアを愛したアーティストたちのお話です。 【SF界の巨匠が描く「宇宙コーヒー」との格闘】 自宅やカフェ、職場、移動中の車や飛行機まで……どこにいてもコーヒーが手放せない人なら誰でも、一度はしたことのある想像があります。すなわち「宇宙でコーヒーは飲めるのか?」 今回は日本SF小説の父・海野十三の作品を題材に、人類とコーヒーの未来へ思いを馳せてみましょう。 海野十三は昭和初期に活躍した日本のSF作家で、少年少女向けの冒険SFや、科学を題材としたミステリ、ホラー作品を数多く残しています。 彼にとってコーヒーは日常的なものだったらしく、『ヒルミ夫人の冷蔵鞄』『什器破壊業事件』『三角形の恐怖』などの作品には、コーヒーやカップ、喫茶店の描写がさり気なく登場します。 そんな中でも特に注目したいのが、1941年に発表された『大宇宙遠征隊』という作品です。

 

『大宇宙遠征隊』は、とある目的のために200人以上の日本人を乗せた宇宙船「アシビキ号」の冒険譚で、乗組員の少年・三郎の視点から物語が始まります。 あるとき三郎少年が任務のため館長室にいると、突然警報が鳴り響きます。どうやら船の重力装置が故障してしまったようです。 すると突然、沸かしていたコーヒーケトルの口から、茶色い紐のようなものが伸びてきて、湯気を立てながら室内を踊るように動き回ります。 それがケトルから飛び出したコーヒーだと気付いた三郎少年は、ふわふわと浮きながら、火傷をしないように「コーヒーの紐」から逃げ回ります。 この一連の騒動には「コーヒーと戦う」という章題がついていて、序盤のもっとも印象的なシーンとなっています。

 

作家の想像力によって生み出された「宇宙コーヒー」との戦いはコミカルで面白いですが、宇宙でコーヒーを飲む習慣は現実となりつつあります。 2015年には、国際宇宙ステーションに専用のエスプレッソマシンが登場し、宇宙で淹れたてのコーヒーを飲むことが可能となりました。 「艇夫、それよりも、コーヒーだ」 「コーヒーは、今、やりなおしています。重力装置の故障のとき、すっかりこぼれてしまったんです」 「そうか。それはもったいないことをした」 こんな会話が身近になる日もそう遠くないかもしれませんね。

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